世界の紅茶と文化

中国で生まれた茶がヨーロッパに伝わり、その後イギリスから紅茶として日本に渡り100年以上が経ちました

紅茶の製造過程

摘採(茶摘み)

茶摘みは、デリケートで柔らかな茶葉を傷つけてはならないため、非常に繊細な作業です。現在も茶摘みはひとつひとつ丁寧に行われていますが、必要な部分のみを正確に摘み取るには熟練した技が必要です。

萎凋

摘み取った若葉を揉みやすくするために、温風で8時間ほど乾かし、水分を約40%蒸発させます。この工程でしんなりと柔らかくなった茶葉は、褐色が混ざった薄緑色になります。

揉捻

柔らかくなった茶葉を充分に揉むことで、葉の組織細胞が壊れ、酸化酵素を含む液汁が空気に触れることで、酵素酸化が始まります。

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酵素酸化

酵素酸化は25℃前後の室温と90%程度の高湿度の中で、1時間から1時間半ほど行われます。茶葉は鮮やかな赤褐色に変わり、紅茶らしい香りが漂い始めます。

乾燥

適度な酸化状態になったら、90℃以上の熱風で茶葉を乾燥し、酵素酸化をストップさせます。短時間に大量の熱風で水分3〜4%まで乾燥させ、茶葉についている茎などを取り除き、グレードごとに分けられて仕上げ茶となります。

紅茶の産地を訪ねて

世界で作られているお茶のおよそ8割が紅茶だということを知っていますか? 紅茶はそれだけ世界中で愛されている飲み物なのです。
世界に流通される紅茶の産地のほとんどが熱帯・亜熱帯に位置しており、この地帯は「ティーベルト」と呼ばれます。

茶葉の種類

産地や季節によって紅茶の味や香りはさまざまです。代表的な10のリーフをご紹介します。

世界の紅茶の楽しみ方

紅茶は世界で水の次によく飲まれている飲料です。
世界各国でどのように愛され、飲まれているのか、代表的な国の紅茶の楽しみ方をご紹介します。
イギリス
イギリス人にとって紅茶は無くてはならないもの。朝起きてから夜寝るまで、1日のさまざまなシーンに分けて、伝統的なティーブレイクの習慣があり、時間帯によって飲む紅茶の種類も変わってきます。現在は簡略化されているものの、紅茶をよく飲む国民性は変わらず、ミルクティーに合う濃い目の紅茶が好まれます。
ロシア
ロシアの紅茶というと誰もがイメージするのが金属製の湯沸し器、サモワール。暖房器具でもあったサモワールで1日中、湯を沸かし、何杯も紅茶を飲むのがロシアの習慣でしたが、現在、サモワールはほとんど見られなくなりました。それでも、紅茶は日常的にとても良く飲まれています。
フランス
中国よりお茶が伝わったのはイギリスより早いですが、フランスではコーヒーの文化が花咲きました。コーヒーを楽しむカフェに対し、紅茶を楽しむのは「サロン・ド・テ」。フルーツなどの香りを着香したフレーバーティーの種類が豊富で人気があります。
インド
紅茶の生産量世界一のインドには、イギリスの植民地時代に喫茶の習慣が根付きました。日常のお茶は細かい茶葉を使って煮出した牛乳入りのチャイと呼ばれる甘いミルクティー。それにスパイスを加えたマサラティーも人気です。温かく甘いチャイは、暑い国インドの人々に欠かせない飲み物です。
トルコ
トルコといえばコーヒーが有名ですが、実は紅茶が主流。トルコ式のチャイは、二段重ねの独特の形をしたチャイダンルックというポットがどの家庭にも置いてあり、1日に何杯も紅茶を楽しみます。外では男性のみが入れる「カフェハネ」と、女性が集まる「チャイハネ」という喫茶店があります。
スリランカ
かつての国名「セイロン」が紅茶名として引き継がれているスリランカでは、味わいのしっかりとした紅茶にミルクを入れる飲み方が主流です。暑いスリランカでは、牛乳の流通が少なく、粉ミルクをお湯で溶いてミルクティーに使用することが多いようです。
マレーシア
紅茶産地でもあるマレーシアでは「テ・タリック」(TeaTarik)と呼ばれる紅茶があります。これはコンデンスミルクをたっぷり入れた紅茶を高い位置からカップに伸ばすように注ぐのが特徴。高いところから何度も注ぎ、空気と混ざることで泡立ち、まろやかな紅茶になるそうです。
中国
家庭や仕事場で、またボトルにお茶を入れて持ち歩いたりと、お茶は中国人の生活にとってとても大事な飲み物です。さらにお茶を飲む憩いの場所として、茶館がよく利用されていて、たくさんの人々がお茶を楽しみながら、ゲームをしたりおしゃべりしたりする姿が見られます。